自動車売却時に必要となる基礎的な知識をまとめています。
売却時に必要な書類
小型車・普通乗用車の場合は以下の書類が必要になってきます。
まず「自動車検査証(車検証)」です。紛失した場合は運輸支局で再交付してもらう必要があるそうです。手続きには申請書類代と手数料が必要になってきます。「自動車検査証」に記載の現住所と名前を確認しましょう。
次に必要となってくるのは「自賠責保険証明書」です。この保険は、自動車の所有者と運転者が必ず加入しなければならないものです。強制保険と呼ばれています。
こちらの書類を無くされてしまった方は、保険会社ですぎに無料で再発行してもらえます。再発行時には免許証などの本人確認が出来るものが必要となってきます。
次に「自動車税納税証明書」、毎年五月に送られてくる納税通知書の「自動車税納税証明書」と記されている場所の事です。
こちらも無くしてしまった場合でも再発行は可能です。その際は、管轄の都道府県税務署で、無料で再発行してもらえます。
次に「自動車リサイクル券」が必要になってきます。これは自動車購入時に必ず支払っているものだと思います。
今、乗っている自動車を売却若しくは下取りに出す場合は、「自動車リサイクル券」を次の所有者に渡すとともに、購入時に支払った分のお金は帰ってきます。ただ、廃車する場合は戻りませんので御注意ください。
次に「実印」です。これは、委任状?譲渡証明書の捺印に必要となってきます。
次に「印鑑証明書」です。市町村役場で取得できますが、発行後一ヶ月以内のものが必要になってきます。二枚必要です。
委任状は登録の手続き等、本人に代わって販売店に任せる事を証明する為の書類です。
譲渡証明書(譲渡証)は自動車を第三者に譲渡する事を証明する為の書類です。
売却時の税金について
自動車には「自動車税(軽自動車税)」、「自動車取得税」、「自動車重量税」の3つの税金が必要になってきます。
「自動車税(軽自動車税)」とは、毎年4月1日現在の所有者に対して年度分の金額が課税されることです。自動車の所有者は、自動車税を年度分前払いしている為、売却時には払いすぎた税金が月割りで戻ってきます。売却した月の翌月から3月までの自動車税が還付されます。ただし、600cc以下の自動車は「軽自動車税」と言い、軽自動車扱いになりますので売却時でも還付される事はありません。
次に「自動車取得税」とは、自動車を購入した時に税金が課せられる税金です。自動車の取得価格(車種・グレード・仕様ごとに財団法人地方財務協会の方で定めた基準額)に普通車5%、軽自動車3%を掛けた金額が課せられますが、取得価格が50万円に満たない場合は課せられる事はありません。それと、普通車で6年超した自動車、軽自動車で4年超した自動車に関しては、自動車取得税は掛かりません。
「自動車取得税」の計算式をここに記します。
車両の新車価格×0.9×残価率×5%(軽自動車なら3%)
となります。この税金に関しては売却しても還付されませんので御注意ください。
次に「自動車重量税」です。この税は、車検やナンバー取得時に自動車の種類・重量に応じて課せられる税金です。車検が1ヶ月以上残っている時に廃車すると残存期間に応じて還付されますが、売却時には還付されません。
最後に、自動車買取業者の一部には当然還付されても良い税金を還付しない業者も居るようです。自動車を売却する際には、税金の還付の有無に対して確認をしましょう。気持ちのいい取引が出来る為に知っておくと良いはずです。
ローンが残っている場合の売却
まず「自動車検査証(車検証)」を見て下さい。そこに載っている「所有者の氏名又は名称」には誰の名前が記載されていますか?
お客様の名前が記載されている場合は、その自動車の権利(所有権)は全てお客様のものになっています。
しかし、「所有者の氏名又は名称」欄がローン会社や自動車を購入された法人名義だった場合、その自動車はお客様の物になっていない場合があります。「所有者の氏名又は名称」欄にお客様の名前ではなくて、ローン会社や販売店、クレジット会社等の名義が書かれている場合と言うのは、ローン返済がまだお済みになっていない場合です。
もしローン返済の目処が立っている場合はローンを返済してしまってから買い替えなり売却をする方が良いと思います。ローン返済したならば「所有権解除」と言う手続きを行い自動車の名義をお客様自身にしましょう。手続きが完了次第、晴れてお客様の所有物になります。
ローンがある状態で売却したい方の方法は下記に記載します。
ローンが残っていたとしても売却や下取りする事は可能です。
自動車を売却する際の査定額がローン残債(残存債務の意)を上回る場合。この場合は「査定額?ローン残債=お客様への支払額」と言う計算式が成り立ちます。査定額の中からローン残債を支払ってローン完済させてしまう方法です。お客様自身の手元にも金額が残るかもしれませんね。
ただ、自動車を売却する際の査定額がローン返済額に満たない場合もあります。この場合は、ローン返済額を一括返済してしますか、若しくはローン返済額を新しく組み直すかです。ローン返済額を新しく組み直し買取してくれる業者は限られていますので。そのようなプラン等がある業者を探さなければなりません。
自動車保険について
自動車を売却する時、今まで加入していた自動車保険についても考えなければなりません。
まずは、強制保険と呼ばれている「自賠責保険」です。この保険は、自動車の所有者と運転者が必ず加入しなければならないもので、有効期限が一ヶ月以上残っている時に廃車をしますと「自賠責保険」の残存期間に応じて月割り計算によって還付されます。還付される制度を正確には「返戻金(へんれいきん)」または「解約金」と呼びます。
しかし、税金(自動車税や自動車重量税)の場合と違って自賠責保険については単純に月割り保険料が戻ってくる訳ではないのです。返戻金は残りの月数に応じて定められたもので、廃車時の保険解除の際など、保険会社に問い合わせた方がよろしいかと思います。
それと、保険の解約は廃車手続きとは別物になり、保険会社に解約申し入れを出して初めて解約手続きが完了します。その為、廃車手続きのあとに保険会社に解約の申し入れを出すまで期間が開いてしまいますと、自賠責保険の返戻金額がどんどん減っていきますのでご注意下さい。
次は、自動車任意保険についてです。
この保険は強制保険ではなく、任意に、入りたい人が入る保険の事です。この保険は種類?サービス?特約など色々なプランがありお客様の予算に合わせて選ぶことが出来ます。
この保険も廃車又は売却する時に解約する場合は残存期間に応じて保険金が還付されます。自動車の買い替え等の場合は、ご契約の保険会社やプランの解約はせずに契約内容を変更すれば良いだけとなります。ただ、自動車が変われば保険料も変わると思いますので保険業者によく確認をしておいた方が良いと思います。
買取価格の相場の調査法
買取価格の相場は業者間でのオークションの中で落札された価格によって決められます。
これはオークションの価格が、市場でのその自動車の人気度を反映しているからです。当然人気のある自動車は落札価格も高くなり、反対に不人気車やモデルチェンジ前の自動車等は低く落札されます。経済は需要と供給で廻っていますので仕方のない事です。
自動車の買取専門店やディーラーなどにコネがない場合、買取価格の相場を調べるのは難しい事だと思います。業者間オークションで落札された金額等をオークション事務局がまとめて表に出した「相場表」や「価格表」を知る事は一般の人にはないと思われます。しかも買取専門店やディーラーが買取相場等を公表することはありません。それは自らの利益を公開する事になるからです。
下取りでの相場も上記と一緒で公表される事はないでしょう。ただ、買取専門店で売却する事とは違い、自動車を下取りに出してその値段を新たに自動車を買替える時分に引かれる形となりますので、相場や下取り価格等はあやふやになる事もあります。
実際に金額が手元に入らない訳です。そこはご承知御願いします。だからと言って、下取り価格に適当な相場を付けている訳ではなく、やはり上記で載せたように「相場表」や「価格表」を参考にしていると思います。
ただ、買取専門店などの売却金額より少なくなる事は確かなようですので、お客様が自動車の相場など知っておく事は大切だと思います。ですので、売却せずとも買取専門店などで査定してから下取りに出すなど、工夫する事が大切だと思います。
出張・持込み買取り
自動車を売却する際には2種類の売却方法があります。業者さんに来て査定してもらうか、お客様自らが業者に持ち込んで査定してもらうかです。業者を呼んで来させるのを「出張買取」と言います。逆にお客様自らが業者に持ち込むのを「持込み買取」と言います。この2つが最もポピュラーな売却方法だと思われます。
出張買取を頼んだからと言って、持込み買取をした場合と金額に差が付く訳ではないですし、出張費等の費用は掛からない業者が多いようです。それに出張してくださる業者のスタッフは一人で来られる事のほうが多いようで、その為自動車全体を見渡す事が出来ず、以外な金額が付く場合などもあるようです。一業者だけでなく数社を一堂に集めて査定してもらう事も可能です。
その際、業者さん同士が競売する形になることが多いようですので、金額も高額取引となる可能性があります。それに何と言っても、お客様自身が動かずに売却出来ますのですばらしいサービスではないでしょうか。
持込み買取には、お客様ご自身が出向かなければいけません。その分の費用等はお客様の出費となることが多いようです。売却先がもう決まっていて、そこ以外に考えられないお客様や、売れればどこでも良いと言うお考えのお客様などには、迅速に対応してくれる持込み買取は打ってつけのサービスだと思います。
そこではスタッフ数人で一斉に査定してもらえる様で、時間的にもスピーディーですし後々トラブルになる様なことも少ないのかもしれません。
どちらのサービスもメリット、デメリットがございますので、お客様の都合の良い方を選んでしまって良いのかと思います。